パリの地下鉄4番線の最終にクリニャンクールののみの市があります。いわゆる場所名を絵のタイトルにしています。
1988年にパリ滞在1ヶ月旅行という幸運に恵まれて、言葉も話せない中でひたすら取材をかさねているうちに、ふらりと立ち寄ったクリニャンクールが私の絵の題材になりました。 壊れた人形、様々な焼き物や家具、食器など、ありとあらゆるものが商品として陳列され、それを売る売り子さんは商売そっちのけでおしゃべりに夢中。あるいはお昼寝。また狭い路地の真ん中ではイカサマトランプやサイコロ博打・・・。
それもまたこの界隈の風物で、見ているだけでこっけいな楽しさがありました。
ゴッホのデッサンらしきもの3点をこののみの市で3000円ほどで買って、鑑定に出したら3000万円・・という夢のような話も出ています。今ではお宝は掘り尽くされてなかなか出てこないようです。
展覧会やコンクールでは、この20年来このクリニャンクールをテーマにして制作してきました。ここではその小さな作品を展示いたします。